うつ病について: うつ病の治療の際に知っておいて欲しいこと

うつ病の治療の際に知っておいて欲しいこと

・誰もがかかりうる病気である。
・心が弱いからうつ病になったわけではない。
・身体のエネルギーが低下してしまった状態で、無理はきかない。
・必ず治る病気である。
・回復の過程は一進一退である。
・決して自殺だけはしない。
・入院治療という方法もある。


うつ病にかかった時には、自分が悪かったのだと考えてしまい、病気になった自分を責めることがあります。しかし、この自責的な考えは、「うつ」というエネルギーが低下してしまった特殊な状況だからこそ、生じているものです。うつ病から回復した後には、誰も、自分が悪かったから病気になったとは考えないでしょう。
うつは誰でもかかりうる病気で、「脳のカゼ」と呼ばれることもあります。身体のエネルギーが低下した状態なので、何よりも休養が必要になります。「うつ」というのは、車で言えばガソリンが底をついたようなものです。エネルギーが底をついた状況で、いくら頑張ろうと思っても、身体がついてきません。ゆっくり休むことは最良の薬です。
今は苦しくても、ゆっくり休んで薬を飲んで治療したら必ずよくなります。ほとんどの人は、3-6ヶ月で症状が改善します。
ただし、回復過程は、一進一退です。必ずしも一直線に回復するわけではありません。いい時と悪い時と波を繰り返しながら、少しずつ回復に向かっていきます。したがって、ある時点だけを見ると、症状が悪化してしまったように見え、落胆してしまうこともあります。あらかじめ、波があることを理解しておくといいでしょう。
うつ病にかかると、将来に対して悲観的になり、何の希望も持てなくなることがあります。今の苦しい状態が永遠に続くように感じることもあります。病気が治った状態というものが全く想像できないこともあります。いくら治療を受けても何も変わらないと思うかもしれません。もう死んでしまいたいと思うこともあるでしょう。しかし、きちんと治療をすれば、必ずよくなる病気です。自殺だけはしないで下さい。そういう考えが浮かんだ時には、担当医師か家族に伝えて下さい。
症状が重い場合、通院治療では効果が不十分な場合、職場や家庭から離れたほうがいいような場合では、外来治療よりも入院治療が望ましいこともあります。入院治療を希望する場合は、担当医師に相談してみましょう。
治療は、患者、家族、担当医師が互いに情報を交換しながら、最善の方法を考えていく共同作業です。今困っていること、薬を飲んでからの変化、治療についての不安、将来に対する心配など、気になることは担当医師に伝えて下さい。