うつ病について: うつ病になりやすいタイプ

うつ病になりやすいタイプ

・他の人に頼らず、自分一人で頑張ろうとする人は、うつ病になりやすい。
・自分にむち打つ人は、ちょっと危険。
・うつ病になるかどうかは、体質的な要因と、性格と環境の相互作用で決まる。


以前、うつ病は、「几帳面」で「神経質」な「こだわりが強い」「まじめ」な人や「一人で頑張る」人がかかりやすいと言われていました。これらの特徴をもつ人は、社会的には高い評価を受けることが多いのですが、実はうつ病に関しては好ましくないと言えます。こういう人は、「こうすべきだ」という考えにとらわれやすいのです。過労で心身ともに限界に達しているような状態でも、助けを求めることができず、もっと頑張らなければいけないと自分にむち打ってしまいます。しかし、作業能率は低下し、思うような結果を残すことはできません。そのことで、いっそう疲弊感を強め、精も根も尽き果ててしまいます。この悪循環でうつ状態に陥ってしまうのです。
最近では、いろいろなタイプのうつ病が知られるようになり、必ずしも几帳面なタイプの方だけがうつ病になるわけではないと考えられています。 うつ病になるかどうかは、体質的な要因と、性格と環境の相互作用で決まると考えていいでしょう。
うつ病は、誰もがかかる可能性のある病気です。決して、ダメな人がかかる病気ではありません。本人の気持ちの切り替えで何とかなるというものでもありません。うつ病にかかることは、恥ずかしいことではないのです。
何らかの症状に気づいたら、速やかに精神科や心療内科などの専門医を受診してください。眠れないからといって、アルコールを使用すると、依存状態になりやすいので危険です(*1)。


*1 アルコールは、睡眠薬より耐性を生じやすいので依存をきたしやすい。また、入眠効果は得 られるが、睡眠の質は下げる(中途覚醒も多い)ので、疲労がたまりやすい。